【ネタバレあり】舞台「かがみの孤城」感想

舞台『かがみの孤城』@サンシャイン劇場を観劇しました。

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めっちゃよかった。舞台→小説→舞台の順で観劇&読書をしたので、順を追って書きます。ネタバレあり。

 

初見時の感想としては“こころとアキを中心にした救いの連鎖”だな、と思いました。こころは喜多嶋先生がいたから大人への信頼を損なうことなく、萌ちゃんともう一度話せた。その結果、アキの「ルール破り」のペナルティ対象外となり、アキやみんなを助け出せる。こころに救われたアキは、こころに貰った言葉を抱いて大人になって、「喜多嶋先生」としてこころを助ける。アキちゃんと喜多嶋先生の種明かしをされた瞬間がめちゃくちゃぐっときた…。あれ舞台ならではの演出だよな~~~~~~~~!!!

それから閉城のリオンとオオカミさまの場面! 本編の第一声が「3月30日は間違いじゃない?」という指摘であることなどが顕著だと思うんですけど、リオンってスバルとはまた別ベクトルで、冷静で聡明でちょっと大人びた子として描かれているじゃないですか。それなのに、覚えていたいよ、の声が…5歳と13歳の心を両方内包していて…。気がついたらサンシャインで五分丈のパーカーを買っていた。「理音…」て言いながら買ったんだけど、今見たら袖の丈感すら合ってなくてわろてる。フードと紐の存在しか合っとらん。判定基準ガバガバか!?!?!?!?!?

時間のずれ問題に関してはわりと早々に察してしまったので、マサムネが「パラレルワールド」を言い出したときは「お~まえ何ややこしくしとんねんもっとシンプルに考えろや」と思った。笑。ごめん。

 

 辻村深月著『かがみの孤城』。気になってはいたんだけど単行本を置くスペースがねえ~~~~~~~~~!!(溢れる本)(本棚に入れることをn年前から諦めている)(本の山が家中そこかしこにそびえ立っているので怒られる)という理由で読めていなかったんだけど、うわ~~~もっと早く出会いたかった~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!! 中学生のときに出会いたかった~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!

小説を読んでびっくりしたのは、“家にも学校にも居場所がない子どもたちが、『城』という安全地帯と仲間を得た物語”だったことでした。私ははやみねかおる育ちかつ『都会のトム&ソーヤ』が好きだった子どもなので砦/安全地帯がとても好きです。うっそ聞いてないよ!! 誰か言ってよ!!!!

舞台と小説という媒体の強み弱みみたいな話になるんですけど、小説って何というか、対照人物ひとりにフォーカスをあてて深く深く掘り下げるみたいなことが得意じゃないですか。スバルもマサムネもフウカも、私、あなたたちのこと全然知らんかった…。特にウレシノ、あれ舞台→小説の順に触れた人で8月のウレシノの台詞が突き刺さらなかった人はいるのか? まあ正直ウレシノの行動はムチャクチャ迷惑かつ確実に絶許案件だが…。7人、しかも女子3人の小グループでやられたらマジでうざすぎるし、結束を固める手っ取り早い方法は外に共通の敵を作ることだと申しますけれども…。でも、ウレシノの行為は迷惑極まりないと思ったからといって、彼を笑いものにしたり、笑っていいものと見なしたりしていい理由にはならないんですよね。マジで。我が身を省みるとめちゃくちゃつらい。

あとはこころ視点部の締め方な~~~~~~~~~!!!!!!!!! 冒頭と美しく響き合ってて、余韻がある……。

赤ずきん」かと思いきや実は「七匹の子ヤギ」のオオカミだった、というトリックだから、舞台で×印がヤギの子らの隠れ場所にあることに全く疑問を抱いていなかったんだけど、小説だと×印のありかが各個人の部屋にあって、なるほど~~~と思った。この城は「七匹の子ヤギ」の見立てである、という点は舞台版のがわかりやすいけど、小説版では記憶という各個人のプライバシーを覗き見るという行為が「各個人のために用意された部屋に入る」という行為に重ねられているんだろうな。決して興味本位などではなく、確かめたいことがあったから、という理由づけもなされて、そこはよかったな~~~。舞台ではそんな説明台詞挟む余裕もないのはわかってんだけど、こころに躊躇がない&あまりにもテンポ良く記憶が再生されるので三人目以降はちょっと「プライバシー!!!!!!!!!!」となっちゃったので…。

 

二回目の観劇時は東京楽前日だったこともあってか、アドリブがちょいちょい挟まれてて面白かったな~~~。閉城の際、お互いに名前を教え合う場面で、ウレシノの名前をみんなで声合わせて言うのがめちゃくちゃかわいすぎて膝をつねった。なかよしかよ…かわいいかよ……。

水も食糧もないけど、なぜか電気だけ通ってるという話のときに姉ちゃんのドールハウスを思い出して早々に泣きました。早い。でもこの件はちょっと舞台版だけ見てもわかるよう触れてほしかったな~~~オオカミさまとの場面でリオンの台詞にちょっと足すだけじゃん!?!?!?!?!? 上演時間的な問題なんかな…。いやそれを言うなら病室の場面で卓上にドールハウスを用意したほうがいい…? あの一連の場面、テンポ良くみんなの背景を叩きつけてくるから役者も小道具さんもみんな忙しそうだけど…。

あとまぁ初見時から「ん?」とは思ってたけど、リオンってこころには「母親は専業主婦」って言うのにクリスマスでは「仕事が忙しいらしくて」 って言うよな?? あまりにナチュラルに言うから「覚え間違いかな?」と思ったけどやっぱそうだよな?? ねえ~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!

初見時「小説で回収されてるかな?」と思ったら小説でも未回収だったのでおい!!!!!!!!!!!! となった、クリスマス会でリオンがオオカミさまに渡したもの。あれはマジで何??????? 読み逃してる?????????? と思ったのでガン見したんですけどよくわかりませんでした(最悪の報告)。

 

  

久しぶりに劇場に行けて、よい物語に触れられて、本当~~~~~~~~にうれしかった~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!! 劇場は最高…そして小説も最高……。