元気を出したいときはスカステで撮り溜めてるショーを見るんですけど、最近仕事がクソヤバの気配を醸し出し始めたので、カンフル簡易版として書きました。
シンプルに愛してるタカラヅカショーの歌詞3選+α
1.君の心に突き刺され Love(中村暁作・2017年宙組『VIVA!FESTA!』)
いや本当に好き…(語彙)
「突き刺され」と「Love」の取り合わせがすごいんだよな…。愛よ、「届け」でも「伝われ」でも「飛んでいけ」ですらなく、「突き刺され」と来るか!
何かをものすごい勢いで愛してしまったとき、「刺さった」って言うけれど、ただ「刺され」ではなくて「突き刺され」なんですよね…。この愛は弓から放たれた矢ではなく、狙いさだめた槍なのだ…。
そして「愛」ではなく「Love」でバランス取ってるのもうまいっすよね~。「突き刺され 愛」だと突き刺されば鮮血が噴き出すような重みがあるんだけど、「突き刺され Love」になることで突き刺さる衝撃はそのままに、タカラヅカらしく明るく爽やかでかろやかなんだよな…。
2.邪魔だ! どけ! 誰も俺を止められない(上田久美子作・2018年月組『BADDY』)
もうだいすっっっ(中略)っっっき!!!!!!!!
これ!!!!!!!!!!!!
『BADDY』は月からやってきた大悪党・バッディが地球で大暴れするストーリーをショーの構成に沿って展開するというものすごいショーで、上記の歌詞はバッディさんが地球に降り立った場面の歌い出しです。いやー強い。これ聞くと顎がクッと上がります。俺の覇道を阻むな!(※バッディさんはそんなこと言ってない)という気持ちになる。I am born to be free…
「天国なんて行きたくない/天国なんて/ばあさんたちの行く場所さ」を客席に指さしながら歌うバッディさんはマジでBADDY。
3.シンプルに愛してる(藤井大介作・2019年宙組『アクアヴィーテ』)
いや強いのよ…。
『アクアヴィーテ』はウィスキーをテーマにしたショーで、プロローグでは種類ごとにウィスキーを語ってるんですけど、それぞれ「飲み干したい」「ユニークなお前」「高貴な香り」とストレートに欲望を述べたり、擬人化したり、描写したりする中でトドメがこれですよ!? 「そしてジャパニーズ(ウィスキー) シンプルに愛してる」!!!! そんなことある!?!?!?!?!?
シンプル:
[形動]単純なさま。また、飾り気やむだなところがなく、簡素なさま。「
シンプル な柄」「シンプル な生活」引用:https://kotobank.jp/word/シンプル-538895
ウィスキーを賞賛するのに擬人化してみたり、どんなところが素晴らしいか言葉を尽くしてみたり、けれど最終的にどれも足らなくて全部放り捨てるさまを「シンプルに」にまとめるのすごくないですか!? この歌詞を知ったからには、もう二度と軽々しい気持ちで使えないですよ「シンプルに」なんて。お前はそこにたどり着く前に言葉を尽くしたのか? 自分の持てる言語技術は全て使い果たしたのか?? 言葉を尽くして、使い果たして、届かず、それでもなお望むのか???
ひとつひとつなくした果てに
ようやく残ったもの
これが愛じゃなければなんと呼ぶのか
僕は知らなかった
米津玄師「馬と鹿」
米津玄師がBメロからサビにかけて細やかに拾い上げるところを、サビ突入直前のわずか4小節でやり切ってるわけですよ藤井大介は…。米津玄師とタカラヅカショーおよびダイスケは作風や目的が違う、わかってます。短く切り詰めたから面白い、丁寧に描くからうつくしい、そのようなことを主張したいわけではありません。ただ…マジですごくないですか? 「シンプルに愛してる」…。こういう歌詞に触れるとき、シンプルに「タカラヅカのショーって、すげえな」と思います。
以上、「シンプルに愛してるタカラヅカショーの歌詞3選」でした。
以下はおまけの「シンプルに愛してるんだけど『タカラヅカショーの歌詞』という括りではないな」選です。
シンプルに愛してる歌い分け
・望海風斗:世界中をひとつにするのは
早霧せいな:あなたの歌
望海風斗:私の声
(稲葉太一作・2016年雪組『Greatest HITS!』)
いや世界をひとつにするのは望海風斗なんかーい!トップのちぎさんじゃないんかーい!!※わたしは望海風斗ファンです
パレードでは全員で歌うので、本来の歌詞の意図であろうYou & Me感があってよかった。
シンプルに愛してる鶴の一声
・「血と砂の祭りだァァァァ!!!!!!!!」(酒井澄夫作・2017年星組『Bouquet de TAKARAZUKA』)
どのへんが血と砂の祭りなのかよくわからないけど、「礼真琴殿下がそう仰るなら、そうなんだな」と思いました。
シンプルに愛してる歌い手が歌詞に及ぼす効果
・果てしない大空を 思い切り羽ばたきたいよね/愛と夢いっぱいに 思い切り振りまきたいよね(藤井大介作・2016年宙組『HOT EYES!』)
Q.思い切り羽ばたきたいよね?
A.いえ…ちょっと高所恐怖症なんで…
となりそうなところを、まぁ様に訊かれると「確かにわたし…羽ばたきたいかも…」と思ってしまう。愛…振りまきたいかも……。
・今こそ雄叫べ(齋藤吉正作・2018年星組『Killer Rouge』)
「雄叫び」って動詞に出来るんだな!? あまりにも礼真琴殿下が堂々と仰るので、歌詞を目で見るまでは私が知らないだけで常用の動詞なんだと思ってた。むしろ常用動詞にすべきなのでは? 人生、「今こそ雄叫びを上げろ」なんてかったるくて言ってらんないときもあるでしょ。
・月が輝く南の浜辺で/二人 内緒のデート/手と手を重ねて(野口幸作作・2018年雪組『SUPER VOYAGER!』)
この歌詞を歌う永久輝さんは両脇に娘役さんをはべらかしてるんですがそれは。
シンプルに愛してる歌詞の表記
・壁 DON DON DON /逃げちゃダメさ(野口幸作作・2018年雪組『SUPER VOYAGER!』)
ここまではギリギリ耐えられても次の「距離 DON DON DON/近づいていくのさ」で死ぬ。
おわり!